屋根のカバー工法ってなに？ガルバリウム鋼板を採用した場合の工法の種類や費用
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みなさんこんにちは！
ブログ担当のコバヤシです！
屋根のカバー工法は、劣化した屋根の問題を解決するリフォームの1つです。既存の屋根を撤去しなくてもよく、そのまま新しい屋根材を重ねます。既存の屋根を撤去しなくてもいいために、工期も短くて済むのです。手間もかからないため、コスト面で大きなメリットがあります。
ただしメリットもあればデメリットもある点は悩みどころです。費用も気になるところでしょう。
そこで今回のお役立ちコラムでは、屋根のカバー工法の基礎知識や費用の他、ガルバリウム鋼板の葺き方の種類などをくわしくお話しします。
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カバー工法は屋根の問題を解決する方法の1つ
屋根には多くの問題が発生します。早急な対処を求められるものは、雨漏りです。雨漏りが発生するとまともに住めなくなります。
雨漏りにより雨水が住まいの中へ侵入すると、構造躯体が腐食するからです。構造駆体とは、柱や梁の他、壁や床など住まいの骨組みを指します。腐食すれば、住まいの耐久性は一気に落ちるのです。ある日とつぜん住まいが倒壊することさえあります。小さな地震でも倒壊することもあるでしょう。また、カビが発生すればシックハウス症候群に罹患する可能性が高まります。
シックハウス症候群は幼い子どもや高齢者など、免疫力や体力が健康的な成人と比較すると弱い状態のため注意が必要です。シックハウス症候群は、皮膚、目、のどなどの刺激症状が現れます。他にも、頭痛やめまい、吐き気や精神的、神経症状が発生します。落ち着いた生活ができなくなるでしょう。
そのような屋根の問題を解決する方法に、屋根補修やすべてを交換する葺き替えがあります。ただ、屋根補修も範囲が広くなれば限界もありますし、費用もかかり過ぎる可能性があるのです。屋根の葺き替えは既存の屋根を撤去して新しい屋根材を設置する根本的な解決方法といえます。ただし、費用が高くなるリスクもあるのです。
屋根の葺き替えと比較すると、カバー工法は既存屋根を撤去しないため、その分の費用がかかりません。工期も短くなるため職人に支払う人件費も抑えられます。カバー工法で屋根を一新できるのは、将来を見据えたうえでも安心できるのです。
参照：平成 26 – 27 年度厚生労働科学研究費補助金 健康安全・危機管理対策総合研究事業 科学的工ビデンスに基づく「新シックハウス症候群に関する相談と対策マニュアル(改訂版)の作成」研究班
屋根のカバー工法のメリットとデメリット
屋根のカバー工法には下記のようなメリットとデメリットがあります。
【メリット】
- 屋根を全面交換する葺き替えより費用を抑えられる
- 屋根の断熱性・防音性・防水性が向上する
- アスベストのリスクは低くなる
- 施工期間は短い
【デメリット】
- 屋根の重量の問題
- 下地が腐食しているといった劣化が激しいと適していない
カバー工法のメリットは、葺き替えと比較すると費用を抑えられる点です。既存屋根を撤去しなくてもいい点が、費用を抑えられる理由の1つですが他にもあります。
アスベストが含まれている屋根を撤去する場合、費用は高額になりがちです。アスベストは石綿（せきめん・いしわた）とも呼ばれています。繊維が極細で吸い込むことによる作業員の健康問題が起きて使用が禁止されました。
住まいの場合2004年10月1日に改正された労働安全衛生法施行令が施行されて、アスベストは原則禁止になっています。2006年9月1日からは製造や輸入なども段階的に一部の猶予措置を除き使用禁止となりました。2012年には全面使用禁止となっています。
健康問題とは、石綿肺（アスベスト肺・じん肺）肺がん、悪性中皮腫など致命的な病気ばかりです。
アスベストは2004年以前、全面禁止にはなっていなかったためスレートにも普通に使われていました。日常生活を送る場合、セメントに混ぜられているため飛散のリスクは少ないです。ただし撤去の際は、壊したり砕いたりする場面も出てきます。そのため飛散の危険性があるのです。石綿作業主任者や石綿取扱作業従事者のような専門資格者も求められます。アスベストの調査も必要なため、その分、費用が高くなるのです。
厚生労働省：アスベスト（石綿）に関するQ＆A – 厚生労働省
参照：全国労働安全衛生センター連絡会議 アスベストの全面禁止の実現における日本の経験／古谷杉郎・高橋謙, IJERPH, 2017, 14, 1261
屋根の重量の問題や下地の腐食
カバー工法は屋根が2つになるため重くなります。屋根が重くなると構造躯体への負担が大きくなりますし、また、耐震性が低くなるのです。
重心が下にあるとバランスは安定しますが、上にあると不安定になるのです。屋根が2つになれば重心は上に位置します。そのため地震に対する倒壊の危険性が高まるのです。
重心による耐震性の低下の問題もあって、瓦屋根でのカバー工法はできません。一般的にガルバリウム鋼板のような軽い金属屋根材が採用されます。
また、屋根の下地である野地板の腐食といった、激しく劣化している状態だとカバー工法はできません。さらに、過去にカバー工法をしている場合、2度目ができないのは注意点です。
屋根のカバー工法で採用されることが多いガルバリウム鋼板とは？
屋根のカバー工法では瓦屋根以外なら多くの種類から屋根材を選べます。その中でもよく採用されているのが、ガルバリウム鋼板です。ここからはガルバリウム鋼板についてくわしくお話しします。
ガルバリウム鋼板とは？
ガルバリウム鋼板は金属屋根のひとつで、1972年にアメリカで開発されました。金属鋼板をアルミニウムや亜鉛やシリコンでメッキ加工しているのが特徴です。屋根材だけではなく外壁材としても一般的に使われています。他にはトタンやジンカリウム鋼板などが金属屋根です。
ガルバリウム鋼板はトタンの進化版です。耐用年数が長いだけではなく、金属素材ですがサビにくさや耐震性の高さを備えています。金属サイディングと呼ばれており、広く採用されている外壁材です。以下でガルバリウム鋼板のメリットをお話しします。
耐用年数が長い
ガルバリウム鋼板は製品で異なりますが、通常はトタンより数倍の耐用年数を誇ります。10年〜15年を目安に、屋根塗装やメンテナンスをすることでより長持ちするのが特徴です。
防水性能の高さも耐用年数が長い理由といえます。雨や雪のような水分は屋根にとって大きな負担です。限界が訪れるとひび割れのような劣化が発生します。ガルバリウム鋼板は、吸水性の少なさがメリットです。雪が多く降る地域に適しています。
サビに強い
金属素材の中でも防サビ性の高さはメリットです。「決してガルバリウム鋼板はサビない！」とまでは言い切れません。ただしトタンやアルミのような他の金属素材と比較すると、明確なサビにくさがあるのです。
高い耐震性がある
ガルバリウム鋼板は軽量です。だからこそカバー工法で採用されます。軽量だと耐震性を考える際、有利に働くのです。カバー工法は屋根を2つ備えることになるため、重量を考えなければなりません。軽量のガルバリウム鋼板はその問題を解決できます。
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外観で個性を出しやすい
ガルバリウム鋼板は、シンプルやモダン、スタイリッシュなどさまざまな外観を演出できるのがメリットです。伝統的な日本家屋ではない、オリジナルを重視したい方に適しています。ただ、和モダンで屋根も和風にしたいという方は瓦調のタイプもあります。カラーリングの種類も豊富です。
ガルバリウム鋼板でカバー工法をする場合の施工の種類
ガルバリウム鋼板でカバー工法をする場合、葺き方には4つの種類があります。「横葺き」「縦葺き」「瓦調」「折板葺き」です。以下で各葺き方の種類をお話しします。
横葺き
ガルバリウム鋼板を屋根に対して横に並べる工法です。屋根の傾きが2.5寸以下の勾配では施工できません。
縦葺き・瓦棒葺き
縦葺き、または瓦棒葺きはガルバリウム鋼板を縦方向に並べます。瓦棒葺きでは心木があるタイプとないタイプにわかれるのが特徴です。
瓦棒とは心木という木の棒と金属の板で構成されています。トタン屋根を見つけたらチェックしてみてください。屋根に凸の形をした突起物はないでしょうか？そこに心木が入れられています。瓦棒葺きの屋根は雨の際、排水性が良好です。
ただ、瓦棒葺きは減少傾向にあり、立平葺きが増えています。立平葺きとは瓦棒葺きに見た目は似ていますが心木はありません。突起部分の形状も異なります。立平葺きは隣り合う金属板同士を噛み合わせてつなぎ合わせているのが特徴です。
参照：一般社団法人 日本金属屋根協会 屋根と外壁のかたち 4.瓦棒ぶき
瓦調
瓦調はガルバリウム鋼板ですが、見た目は瓦のような形をしています。横葺きと同じく、地面と平行に設置するのが特徴です。
折板葺き
折板葺きは金属の板を折り曲げて加工した屋根材です。ただ、工場や倉庫のように大型の建築物で採用されています。一般住宅での採用はほぼないといえるでしょう。
カバー工法の費用
カバー工法の費用は屋根の形状、ガルバリウム鋼板の種類や施工面積で異なります。あくまで一例ですが、スレート瓦からガルバリウム鋼板への屋根のカバー工事は約150万円〜180万円です。外壁塗装も加わると300万円以上かかる場合もあります。どちらにしても、最低100万円以上かかることは珍しくありません。正確な費用は実際に屋根補修や屋根塗装専門業者に見積もりを取ってもらってください。その見積もりの根拠に疑問があれば遠慮なく質問しましょう。誠実な業者なら納得できる理由を伝えてくれます。
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カバー工法がいいのかそれとも葺き替えか屋根塗装や補修か、わからないことも多いでしょう。ガルバリウム鋼板もわかりやすくメリットやデメリットも踏まえてお伝えします。
カバー工法を含めた屋根に関するご相談は、ホームページのお問い合わせフォームで内容をお伝えください。電話やメールの他、ショールームでもお気軽にご相談いただけます。
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