塗装用語解説『漆喰の補修』って何？どんな作業？
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みなさんこんにちは！
ブログ担当のコバヤシです！
漆喰は消石灰を主原料とする塗り壁材です。日本でも古くから建築材料として使われてきました。世界を見てもイタリアやフランスの他、エーゲ海周辺でも建物の壁に採用されています。
日本に伝わったのは西暦538年頃と考えられています。仏教伝来とともに、お寺を建造する際、漆喰の製造や施工技術が伝わったと考えられているのです。お寺の白壁は漆喰で作られました。以降、漆喰は日本で独自進化をしていきます。
漆喰はつなぎに糊が使われていました。ただ米糊は高価なため、海藻の海苔が使われるようになったのです。安価な海藻が使えて、土壁より頑丈な点でも評価が高くなり広まったのです。
戦国時代のお城にも使われており、姫路城の白壁に使われていることでも知られています。令和に入った昨今でも、一般戸建てをはじめ、建物に使われている材料です。
今回のお役立ちコラムでは塗装用語、屋根用語でもある「漆喰」について、くわしくお話ししていきたいと思います。
漆喰の作り方
漆喰は消石灰（水酸化カルシウム）、つなぎの糊、スサを加えて作られています。スサとは左官の材料で使われる、繊維状の材料です。
消石灰は元々サンゴ礁でした。サンゴ礁が地殻変動で高く盛り上がって陸地になり、石灰鉱脈になったものです。その石灰鉱脈から、石灰石が採掘できるのです。
石灰石を高温の炉で焼く「焼成」をすると、二酸化炭素が発生し、酸化カルシウムである生石灰ができます。その生石灰に水をかけると、粉が集まった粉体となるのです。それが消石灰です。
住まいの中で漆喰が使われている場所
漆喰は一般の戸建て住宅でも使われています。
- 屋根瓦の接着用途
- 外壁
- 調湿や消臭
漆喰の白壁は高い耐久性や耐火性を持っています。意匠性が高く、和風・洋風、両方のデザインとも相性が良好です。ホルムアルデヒドのような化学物質や二酸化炭素を吸着する働きもあります。
美観を損ない、シックハウス症候群の原因ともなるカビに対しても、防カビ効果を発揮するのです。シックハウス症候群は免疫力が低い子どもや高齢者はとくに注意が求められます。皮膚や目や喉の刺激の他、めまいや吐き気など多数の健康被害を引き起こすからです。
ただしデメリットもあります。防水性は高くありません。傷つきやすく、乾燥まで時間がかかるため工期も長いです。施工費の高さや、施工自体ができる左官業者も減っています。
漆喰は100年の耐久性を誇るが定期的なメンテナンスは必要
戦国時代のお城の外壁に使われるなど、漆喰は頑丈な外壁材です。しかし、定期的なメンテナンスが必須な素材でもあります。日当たりが悪い北側は湿度も高くなり調湿効果はあっても湿度が高いと乾きにくいという問題が出てきます。
吸収した湿気を放出できないとカビやコケが発生しやすくなるのです。原料の消石灰には表面に多数の穴が開いています。そのためチリやホコリを吸い込みやすく、黒ずみ汚れが目立つ場合もあるのです。
また、漆喰の外壁は劣化するとヒビが発生します。漆喰はモルタルの下地の仕上げ材として用いられます。ただ、モルタルや漆喰は乾燥により収縮するのです。
地震や風などの影響によってもヒビが入ります。そのヒビから雨水が侵入するのです。住まいの中に雨水が侵入すると雨漏りにつながります。
雨漏りで木材が腐食すると住まいの耐久性は損なわれて倒壊の危険性が出てくるのです。他にも内壁や天井にカビが発生すれば、美観とシックハウス症候群のような健康問題に発展します。
コンセントや電気配線などの電気設備に雨水がかかれば、ショートによる火災の危険性があるのです。
瓦屋根にも漆喰が使われている
漆喰は瓦屋根において、瓦と瓦の隙間を埋める役割があります。たとえば屋根のてっぺんには棟という部分があります。何もしなければ隙間が空くため、漆喰を使って埋めているのです。
瓦の下に土を設置する、土葺きをしている場所にも漆喰が使われています。昭和の頃の古い住まいで多く見られ、瓦を固定するために用いられました。
土葺きで屋根を重くして地震や強風による揺れで瓦がずれないようにしたのです。ただ、令和の昨今では土葺きの屋根自体が減少しています。
漆喰の寿命
屋根の漆喰の寿命は約20年前後といわれています。雨風にさらされるのと直射日光や寒暖差により負担がかかり続けるからです。
さらに時間の経過で、漆喰がやせる問題もあります。結果、寿命が訪れると漆喰の表面が朽ちてヒビが入ったりはがれたりするのです。
放置すると雨水が侵入して棟にダメージを与えます。放置すれば天井からの雨漏りにもつながるでしょう。そのため漆喰を採用している屋根は、定期的なメンテナンスが必要です。
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