カーポートも塗装できる?ポリカーボネートや金属部分のケレン作業について
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台風や雹が降った後などは、カーポートに被害が出ることもあります。しかし、カーポートの被害が小さければオーナー自ら対応して、費用をかけたくないと思うのも当然でしょう。
今回は「カーポートの塗装」についてご紹介します。
誰にでもできそうなカーポートの補修。実は思わぬ落とし穴があることを覚えておいてください。
カーポートは塗装できる?
結論からいうと「カーポートの塗装はできるものの、決して簡単ではない」ということを覚えておきましょう。カーポートは戸建住宅と違い、構成部品も大したことがなさそうなものですが、実際にカーポートを塗装しようと思うと、意外にも大変な作業を要するのです。
もしカーポートを塗装したいと思うなら、素直に塗装業者に依頼することをオススメします。
機能向上であれば塗装は不要
塗装によってカーポートの機能を向上させることが目的であれば、実は塗装する必要は全くありません。なぜなら、構成されている部品のほとんどが「アルミ製」だからです。
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枠組みに使われているのは基本的にアルミなので、基本的にサビは発生しません。しかし、サビづらいだけでサビないわけではありません。このサビは表面に付着するタイプの白サビであり、鉄のように材質を侵食しながら脆くするようなタイプ(赤サビ)ではないため、発生したサビを取り除くだけで問題がないのです。
そして、サビ止め塗料やサビ転換剤などを使用できないため、塗装で劣化耐性を向上させることができないのです。
ポリカーボネート屋根は塗装不要!しかし台風で飛ばされやすい
カーポートの屋根材で良く見られるのが「ポリカーボネート製」の屋根です。施工費用も安く、塗装が不要なため、多くのご家庭で使われています。
しかし、ポリカーボネート製の屋根材は台風などの強風への耐性が低いというデメリットがあります。近年では爆弾低気圧や大型台風など、愛知県内でも多くの強風被害が報告されるようになりました。
戸建住宅の屋根が強風で飛ばされることはありませんが、ポリカーボネート製の屋根の場合はかなり高い確率で飛ばされます。
見た目も美しく、手入れをきちんとすれば長く使えますが、近年ではポリカーボネート製から金属屋根に張り替えるお客さまも多くなっているのが事実です。
アルミ製屋根は塗装できるが剥がれやすい
アルミ製の屋根は塗装することは可能です。ただし、塗装はすぐに剥がれてしまうことを覚えておきましょう。とくに、表面処理をしないまま塗り上げた塗料は、乾いた途端に剥がれてしまうでしょう。
ただし、先にも挙げた通り「カーポートの金属部分への塗装に機能向上は見込めない」ということを考えると、わざわざ塗装する意味はないといえます。
それを承知の上で塗装を考えるのであれば、金属部分全てに「ケレン」をかける必要が出てきます。ここには多くの時間がかかりますが、全面を傷つけることで塗料を定着することができるでしょう。
ガルバリウム鋼板の折板屋根であれば塗装は可能!
カーポートの中でも大型の場合、アルミ製の屋根ではなく、ガルバリウム鋼板製の折板屋根が使われているケースあります。ガルバリウム鋼板はアルミニウム、亜鉛、シリコンを鋼板にコーティングした金属素材です。アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%の割合で原料を溶融して作られています。
ガルバリウム鋼板製のカーポート屋根は塗装をすることで耐久年数も戸建住宅の屋根と同程度の耐久年数が見込めるでしょう。また、カーポートは戸建住宅と違ってエアコンなどの空調が整っていないエリアでもあります。
遮熱塗料を塗ることで真夏にサウナ状態の駐車場になることは少なくなるでしょう。
遮熱塗料に関しては、当社のお役立ちコラム「塗料」をぜひチェックしてみてください!
DIYで塗装するのはオススメしない
率直に言えば、カーポートの作業をDIYで行うのはオススメしません。なぜなら、カーポートに対する作業はとても非効率であり、知られていないだけで安全対策が必要だからです。
素人が下手に手を出すべきものではないということを覚えておきましょう。
では、どんな理由なのかについてお話しします。
下地処理の複雑さ
アルミ素材は、表面処理さえしっかりとすれば十分に塗装できるのは確かです。しかし、問題は「表面処理が異常に面倒・複雑」ということなのです。表面を傷つけるだけなら大したことないと思われがちですが、実際に作業するととんでもない労力を要します。
まずは「サビ取り」です。これは表面にある白錆を除去するだけの作業ですが、素材にサビを入り込ませれば除去しきれなくなってしまいます。つまり、地金に傷をつけないようにサビ取りをしなければならないということです。ここでかなり時間を要する上に、少しでも残っていれば再発生はすぐに起きます。
次に「ケレン作業」です。部分的に無傷の場所があれば、そこから塗装は剥がれます。これはアルミの持つ特性なので、完全に塗装を付着させたければ、完全に表面処理しなければなりません。たった1mm程度の傷があったなら、そこの塗装は剥がれてしまうのです。
高所作業には安全対策が必要
建築業に携わっていれば当然のことなのですが、実はカーポートの高さは安全対策を必ず行わなければなりません。これは「労働安全衛生法」に定められた条件なのです。
【労働安全衛生法令における安全帯の使用に係る主な規定】 事業者は、高さが二メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く。)で作業を行なう場合において 墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けな ければならない。 (引用:労働安全衛生法 安衛則 518条) |
カーポートに適用される条文の一部ですが、つまり「高さ2m以上での作業には、墜落の恐れがある」とされているので、安全対策を必ず必要としているわけです。この安全策というのは、命綱をかけるだけではいけません。
現在、高さ2m以上の場所での作業は「フルハーネス」での安全帯装着が義務付けられているのです。
ケレン作業は簡単ではない
アルミ金属部分だけの塗装であれば、かなり時間をかけて対策はできます。しかし、さらに厄介な場所が「ポリカーボネート」でできている屋根スクリーンの部分です。ここへケレン作業を行うなら、かなり技術を要するでしょう。
また、金属部分へのケレン作業も、熟練の技術を必要とします。簡単そうに見えるのですが、実際にはかなり熟達した技術者が携わらなければ、期待する結果にはならないのです。
ポリカーボネートは割れやすい
一般的に、カーポートのポリカーボネート部分に塗装を施すことはありません。仮に塗装を施そうと思った場合は、表面をけば立たせて塗料がしっかりと噛み付く場所を作らなければなりません。
しかし、ポリカーボネート部分は薄く、研磨されるようなことは通常考えられないため、無理にケレン作業を行えば割れてしまうことも十分に考えられます。また、均一に傷つけるようなことも難しいため、塗装面が均等になるという保証もありません。
つまり、ポリカーボネート部分の塗装は現実的ではないということです。
金属部分のケレン作業は怪我をしやすい
先にもお伝えしたとおり、アルミは完全に表面処理できなければ塗装がしっかりと乗りません。しかし、多くの場合ケレン作業では手指が傷だらけになります。時には、ケレンによってできたけばだちのせいで出血するほどの怪我を負うこともあるのです。
問題は、気づかないうちに怪我をしてしまうこと。痛みもなく出血していると、施工箇所に血液が付着することもあり、せっかく作業した場所が血液の酸化反応で錆の原因になることも考えられます。
金属部分のケレン作業には、十分に注意を払った上で、肌の露出を最小限にとどめて作業するようにしてください。
カーポートの劣化が激しい場合は交換も検討すべき
アルミ錆が発生していて、できれば美しい見栄えに戻したい。だからこそ、塗装を施して元の美しさを取り戻そうとするのはわかります。しかし、ここまでご説明した通り、カーポートに塗装を施したところで、機能が回復するわけでも、手軽に再塗装できるわけでもないのです。
長い時間をかけた上で再塗装しても、下手をすると数ヶ月以内に塗装が剥がれてしまうことも十分に考えられます。全面的に剥がれれば良いですが、部分的に剥がれたとなれば美しい見た目は一切ありません。
だからこそ、カーポートを再塗装しようと考えるくらいなら「新しいカーポートを建て直す」という判断が必要なのです。難しい技術も必要なく、下手をすると再塗装に要する費用よりも安く対処できるかもしれません。
今あるカーポートを治すこともできますが、本当に美しい状態に戻したいのであれば、今あるものは処分して、新しいものを設置することも考えてみてください。
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一宮市H様邸現場レポート|耐久性抜群!最強の折板カーポート!&湖面のような美しさ!駐車場床リフォーム工事
カーポートは戸建住宅に比べて構造が単純です。しかし、あくまでもそれはプロ目線での話。
DIYで塗装をした場合、耐久年数が担保できないばかりか、作業中の安全性という部分では、あまりオススメできないものです。
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